【海外記事】イディオムを文字通り解釈したらどうなる?


 皆さん、イディオムって知ってますか?「イディオム」と聞くと、おそらく苦しい暗記の記憶が蘇る人もいるのではないでしょうか。イディオムって要は、「複数の語を組み合わせて、文字通り以上の意味を表す」ということです。例えば、「足を洗う」という表現は、「足を」「洗う」という文字通りの意味ではなく、「悪事を辞めて真面目な生活に戻る」という意味で用いられます。ちなみに英語で同様に「足を洗う」を言いたいなら。 “wash one’s hands of O”で、「手を洗う」なんですよね。すごく面白くないですか。ちなみに、このブログ(面白い日本語と英語の慣用句(イディオム)とことわざ)で、日本語と英語のイディオムについて詳しく紹介してくださっています。

The Language Nerdsの記事(Clever Illustrations of Literal Meanings of Idioms.)では、英語のイディオムを文字通りに解釈したらどのような意味になるかをイラストで表現したものを紹介しています。リンク先にアクセスする前に、以下のイディオムからどれだけ自分が知っているものがあるか、試してみてください。分からなかったら、辞書アプリや検索アプリ等で調べてみてくださいね。



high five
killing time
old school
running nose
cactus legs
brain freeze
hold your horses
window shopping
let your mind wander
eye candy
cool as a cucumber
play with fire

 ちなみに私が好きな英語のイディオムに、 “elephant in the room”というものがあります。「皆が重要な問題として認識しているのに、あえて触れない物事」なのですが、秀逸な表現ですよね。絶妙に意味もわかるし、情景も同時に浮かぶような。

 上で見たように、「イディオムの暗記をテストされる」とか、そういう苦しい動機から離れてイディオムを見てみると、面白い発見が多くあるように思います。例えば “a piece of cake”。単なる暗記のために和訳として「朝飯前」だと覚えてしまうと、一つも面白くないのですが、これってなんで「朝飯前」なんでしょう。というか、「朝飯前」もイディオムですよね、文字通りに朝食の前になにかする、ではなくて「とても簡単」という意味なのですから。なんで、簡単なことは「朝飯前」なんでしょう

 日本語の語源を教えてくれる語源由来辞典では、朝食を食べる前には、簡単な仕事しかできない、ということから、朝食の前でもできるほど簡単な仕事を指すようになったと説明されています。

 では、“a piece of cake”は?調べてみたところ、諸説ありですが、一番自然な考え方は、「1ピースのケーキをパクっと食べるくらい簡単」、というもの(参考:Know Your Phrase: A Piece of Cake)でしょうか。そうではない説(Bloomsbury International: A Piece of Cake: Origin and Meaning)もあったりして、イディオム一つでかなり色んな調べ物をすることができます。

 イディオムっておもしろい!と思ってほしい、とはいえ、学ぶ上では難しいよ…と思う方が多いのも事実だと思います。多分、イディオムの難しさは、語句の文字通りの意味からは想像できない意味を持つから、単なる和訳の暗記をしてもつまらないし覚えられないという点にあるんでしょうね。もちろん、その点がイディオムの創造性ではあるのですが。イディオムの暗記に詰まったら、語源を調べてみることをおすすめします。また、みなさんからの「おもしろイディオム」の共有もお待ちしています。


 

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