皆さんが毎日英語に触れるための新しい試みに挑戦します。
Twitterは使っていますか?短文の投稿を「つぶやき」として投稿できるこのSNSは、世界中で使われているので、海外の自分の興味のあるアカウントをフォローしていれば、毎日英語で情報を仕入れることができる便利なツールです。私もTwitterでよく情報収集をしているのですが、今回、【Twitterで英文解釈】として、英語の面白い投稿を教材に英文解釈の記事を書きたいと思います。
Twitterを題材にする利点は大きく分けて2つあります。①短文のメディアであること。本当は長いニュース記事やコラムに挑戦してほしいですが、まず第一歩として短文の英語に頻繁に触れてほしいです。そして、②「生の」英語であること。私はこの言い方が好きではありませんが、「生」とは、英語学習用に文を短くしたり語彙を簡単にしたりしていない、ということです。実は皆さんがお使いの教科書の英文は、学習のために簡単にされている英語なのです。実際に使われている英語を読んでほしいという思いがあります。
さて、それでは早速、このTweetを読むことができますか?わからない単語はすぐに調べてください。イギリスのオックスフォードにあるAshmolean MuseumのTweetです。
Today's #IsolationCreations inspiration is one of the world's earliest piggy banks! This small terracotta sculpture of a pig is from 15th-century Java, and objects of its kind are extremely rare as they normally would have been smashed in order to access the savings pic.twitter.com/KjkDFlk7Bv— Ashmolean Museum (@AshmoleanMuseum) April 14, 2020
特に二文目(This small…)が長くて難しそうです。ひとまず一文目の構造を読み取ってみましょうか。
Today's #IsolationCreations inspiration is one of the world's earliest piggy banks!
(1)一文目のS,Vや、文型はどのようになっているでしょうか。
主語(S)を特定するためにはまず、文の動詞(V)を発見しましょう。とっても簡単です。be動詞の “is”がVなので、その直前の名詞のかたまり(名詞句)がSだと考えて良さそうです。V以下はどうなっていますか。be動詞やbecomeのあとは、基本的に補語(C)が来て、S=Cの関係を作ってくれる事が多いので、その推測でいくと、このような構造になっています。
文の構造を推定したら、意味を考えましょう。主語にハッシュタグがついていますね。#IsolationCreations
は、ロックダウン等で家にいても、創造的な物事に触れよう!という趣旨のハッシュタグです。「#孤独の創造」といった感じでしょうか。one of the~…は最上級の表現。 S is one of the -est 名詞(複数形)で、「最も~な名詞の一つ」です。earliestは「一番早い時期の」なので、「一番古い」。latestは逆に、「一番遅い」ので「最新の」です。
すると、このような意味になりますね。「今日の#孤独の創造 で皆さんに送る刺激は、世界で最も古い豚の貯金箱の一つ!」 下線部を少し意訳しました。ここ(IsorationCreations inspiration)って、難しいですよね。多分、名詞形をつくる接尾語-tionが三連続する、いわば、「名詞・名詞・名詞」になっているからだと思います。
名詞・名詞・名詞という形のときは、一番右側の名詞を左側の名詞が説明(修飾)していると考えていいです。たとえば「バナナ(名)ボート(名)」。「バナナのような形をしたボート」ですよね。日本語でも、同様に、左の名詞が右の名詞を説明しています。そこで、本文では意訳して「孤独の(形)創造(で皆さんに送る)刺激」という風にしています。
次は二文目の構造をとってみましょうか。
This small terracotta
sculpture of a pig is from 15th-century Java, and objects of its kind are
extremely rare as they normally would have been smashed in order to access the
savings.
接続詞が2つあります。見つけられますか。ということは、3つのS+Vのペアがあるはずです。
(2) 2つの接続詞を発見して、S+Vの構造を発見する。
Sは赤字、Vは青字、接続詞は□で囲んで整理しました。長い文なのでこうした整理が重要になります。
andは見つけたけどasって接続詞だったんだ!思った人は辞書を引いてみてください。asには理由を表す接続詞の意味(becauseのように)があります。このように整理すると、文の構造が次のように抽象化できます。
あとは、意味を取ってみましょうか。
「このれんが色の豚の像は、15世紀のジャワ島で出土した。そして、このような種類の作品は、普通、中身を手に入れるために破壊されていたはずなので、非常に貴重である」
下線部を解説します。would have 過去分詞は、過去の出来事についての推量、つまり、「~だっただろう」という意味を表します。can, will, may, mustなどの助動詞は、話し手の「主観的な判断」を表す動詞なので、少なくともこの文を書いた人は、出土する貯金箱は破壊されてしまっている事が多い、と考えていることがわかります。
15世紀に豚の貯金箱があったことも驚きだし、そもそもなんで貯金箱って豚なのだろう、とか興味が出てきてしまいますね。それになにより、この貯金箱、めちゃめちゃかわいくないですか、現代のオーソドックスな貯金箱よりもとても好みです。
今回は、Ashmolean MuseumのTweetを題材に、長いSVCの文の解釈について説明しました。みなさんも、「こういうTweetが面白かった!」というのがありましたら、是非教えて下さい。解説も作ってください!
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